日本史非選択がアニメ「平家物語」を観た感想
日本史非選択の私が初めて歴史ものに興味を持ったのかを書いていく。
ネタバレちょい有り
6月末頃、私は「犬王」という室町時代に実在した能楽師をポップにした映画を観に行ってきたよ。内容的には結構面白く、文化に対して教養を持ち合わせていない私でも「能楽」という舞台芸術は「湯浅政明監督」の手によって引き込まれたよ
そして、そこから私は他の歴史アニメを見てみたいと思い、前々から気になっていた「平家物語」を観ることになる。さらに「平家物語」は「犬王」と同じ作者の「古川日出男」であり同じ制作会社の「サイエンスSALU」であったため安心感は大きかった。
アニメ版の「平家物語」は原作と少し違っていて
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、
「お前たちはじき滅びる」と予言される。
亡者が見える平清盛と未来が見える琵琶法師の少女びわという設定が追加されている。
それ以外は大体原作通りの展開であると思う(原作読んだこと無いけど……)。
私は「平家物語」を観て、平家の繁栄から滅亡までの流れが面白いと感じた。
びわの視点が平家の結末がわかっている我々と同じ視点というのが面白かった。
特に印象に残っているのは物語の終盤で平家の立場がどんどん危うくなり都を転々とし源氏に追い込まれている9話目である。三男・平清経が都を転々する自分らに不安を感じながら次男・平資盛と言い合いになる場面がある。
清経は資盛に「この世に誠実さや実直さ、恩義はないのか」と問うが資盛は「我々平家にそれがあったか」と答える場面である。
この言い合いは恩義というものは確かに大事なものだが、それに対して平家が今までしてきた行為というのは周りから見ても良いものではないということを強く感じる場面であった。
このことは実生活でも言えるのでは無いかと思う。
自分が相手に対して行った行為はどうであろうか。
恩義を受けれるようなものであるのか
それとも報いを受けるようなものであるのか
今一度考えさせられた。
そして最終話での「壇ノ浦の戦い」では序盤、潮の流れを味方につけていた平家が有利であったが合戦の途中に源氏側に「イルカ」が乱入し、これによって潮の流れが変わり源氏が勝ち、平家が滅亡するといったものであった。
これを観たとき「ファンタジーかよ!!!!!」と思ったけど調べてみると、実際にそのようなことが起こったという文献がありびっくりしている。
さらに驚くべきことに映画「犬王」で犬王が「壇ノ浦の戦い」と「鯨」について芸をやるシーンがある。
これは壇ノ浦の戦いで死亡した平家の亡霊が、源氏に味方した「イルカ」に対して我々に「鯨」が来て、平家が勝つその時が来ないのかと待っている様子を表している(のだと思う)。「平家物語」で観た部分と何か繋がっているなと感じた……
このことを理解したときは
「うわああああああ!!!!歴史って面白ろ!!!」
と思いましたねw
「平家物語」自体が面白かったのもそうだが「犬王」とつながっていたのも面白いと感じる部分であった。
唯一後悔したのは「平家物語」を観てから「犬王」観たらもっと面白かったのではないかと思った。
日本文化の教養を持ち合わせていない私でもこの2つの作品はとても楽しめたし、日本文化にもっと触れてみたいと思えるような作品だった。
是非、皆もこの2つの作品は観て欲しい。
おまけ
「平家物語」の主題歌である「光るとき」(羊文学)の曲がめちゃくちゃ良かったです。
「犬王」では犬王役の女王蜂のアヴちゃんの声がすごい印象的でした。